建物行脚

 

hitomachi_icon 2泊3日萩への旅_3

ここからは旅の2日目。

お天気には強いと自負している私ですが、その日は朝から雨。寒かったです…でもお昼には晴れました!

堀内地区伝統的建造物群保存地区にいってきました。
ここは、とても指定の範囲が広いので、かなり歩きました。
武家屋敷のあとだから、基本的に一敷地が広いのだと思います。

堀内は旧萩城三の丸にあたり、毛利輝元が慶長13年(1608)に指月山に城を築き、町割をおこなったことに始まるそうです。当時は、藩の諸役所(御蔵元・御木屋・諸郡御用屋敷・御膳夫所・御徒士所)と、毛利一門をはじめとする大身の武家屋敷が建ち並んでいたそうです。

武家屋敷の長屋門や、武家屋敷を囲む土塀がきれいに残っていました。
重伝建の指定は昭和51年。もう指定から35年も経っています。

この通りの土塀は、漆喰のもの、土壁のもの、土壁に瓦の入ったものの3種類が見えています。

この土塀は漆喰とみかんのオレンジが生えてとてもきれいです。

この石積みと土壁の組み合わせ!

同じく!

もういっちょ!

まだまだ!

いろんな表情の土塀があって、塀を見て歩くだけでも楽しいです。

ちなみにブロック塀もありました。つまらないですね…

これは武家屋敷の長屋門を内側から見たところです。立派な長屋門です。

外から長屋門。出格子のデザインがかっこいいです。

これは違う長屋門。立派な鴟尾がついています。

歩いていると可愛いお地蔵さんに遭遇。服を着せてもらって暖かそうです。

なまこ壁の武家屋敷もありました。

綺麗ななまこ壁です。

アイストップなまこ〜!

景観配慮型自販機もありました。

景観配慮といえば、大きな通り沿いのdocomoショップや、ユニクロなどが、白い店舗、白い看板に茶色の文字と、かなり景観に配慮した建物になっていました。

萩のまちは、景観優等生ですね。でも、すべての店舗がそうというわけではないですが…。シンプルな看板にするだけでもまちが落ち着いてみえます。

もとにもどって、なまこ壁ストリート。

きれいです。

美しい格子

歩いていると、すごく人なつっこい犬に出会いました。というか、押し倒されました。笑。犬は好きなので嬉しいんですけど…

堀内地区は、建物もみましたが、基本的に塀を見て歩くのが楽しかったです。
建物の形状は様々でも、建物の外の壁が整っているだけで、まちというものは美しくみえるのだということを実感しました。

2012.01.18

こば


 

hitomachi_icon 2泊3日萩への旅_2

まず、はじめに訪れたのは港の近くにある浜崎伝統的建造物群保存地区です。

浜崎は、城下町の形成にともなって開かれた港町で、近世は北前船の寄港地として廻船業と水産業で栄え、大正から昭和初期にはイリコなどの水産加工業や夏蜜柑等の積み出し港として栄えたそうです。江戸時代以来の街路、敷地割がよく残り、南北を走る本町筋を中心に江戸時代から昭和初期に建てられた町家が数多く残っています。
重伝建の指定は平成13年なので、指定から約10年が経っています。

詳しい地図を持たずに、感を頼りに歩いていると、出会いましたよ!

きた!うだつ、格子、虫籠窓!

ぶらぶらまちを見ながら歩いていると、旧山中家住宅(浜崎町並み交流施設)にたどり着きました。

旧山中家住宅

ここで、浜崎のマップを手に入れ、NPOでこのお宅にいらっしゃったお母さんに、建物の説明と、浜崎の見所を教えていただきました。旧山中家住宅は、京都の町家によく似ていて、細長い形状で、建物の真ん中にお庭があります。また、建物にはたくさんの引札が色鮮やかに残っていました。

そしてすぐ近くの旧村山船具店へ。
とても漆喰となまこ壁の美しい建物でした。

とても大きな商家です

とても美しいなまこ壁

ここにも NPOのお母さんがいらして、建物を詳しく案内していただき、まちの中も案内して頂きました。
こういう、まちに対する愛の感じられる人がたくさんいる地区は、まちが生き生きとしています。
重伝建にもいろいろありますが、こんな素敵な人がいるまちは、とてもいい雰囲気を醸し出していると思います。

親切にガイドしていただいたお母さん方

お母さんに案内していただいて、旧萩藩御船倉の中にいれてもらいました。
この、立派な船倉は、昔は4つあったそうです。3つは取壊されてしまったとのこと。残念です。

力強いさを感じる建築

船倉の中。8mの梁がかけられています。石は野面積

いつまでもお母さんに案内していただくわけにもいかないので、お別れして、まちをぶらぶら観察して歩きました。

あまり見かけない木の虫籠窓

格子の美しい住宅

これは漆喰の虫籠窓

ちょっとしたバルコニーがついている家をたくさん見ました

建物ではないですが、かわいいマンホールを発見!

ちゃんと消防士さんも乗ってます

まちのいたる所で、様々なブラケットを見かけました。

きれいなブラケット


格子戸を背景にしたポスト

すてきな路地もありました

これもきれいな格子戸がついています

昭和を感じるバルコニー。好きです…

丁寧とは言えないけどなんとも味わい深いです

蔀戸のついた家もたくさんありました

なまこ壁の続くナイス路地!

ほぼ軒先のそろった家並み

銅板巻の立派なうだつに出会いました!

瓦までのってますよ!

まちをクンクンしながら歩いていると、見たこともないお寺を発見!

よくみてください。ブラケットが…

何?

これはなんなの…ちょっと怖いけど笑う

浜崎のまちは、建築的にとても見所満載、そして元気なお母さんのいるまちで、とても好きになってしまいました。

2012.01.17

こば


 

hitomachi_icon 2泊3日萩への旅_1

みなさん、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

1月の3連休を使って、萩の重要伝統的建造物群保存地区を4カ所見てきました。
私は、自称、重伝建マニアでございます。

1日目、浜崎重要伝統的建造物群保存地区
2日目、堀内地区重要伝統的建造物群保存地区、平安古地区重要伝統的建造物群保存地区
3日目、佐々並市重要伝統的建造物群保存地区

の4カ所を見てきました。

萩へは、電車を使う場合、新幹線を新山口でおりて、バスに乗るのが早いようです。
それを知らず、電車で萩駅まで行ってしまいました。
でも、萩駅は大正時代に建てられた素敵な駅舎でした。

大正の香りただよう素敵な駅舎

デザインされたブラケット装飾

それから、飛び込みたくなるようなテレフォンボックスも!

自働電話と書いてあります

萩の町は、30分に1本のバスが走っています。何処まで乗っても100円!バスに乗り、お昼に美味しいお寿司を食べて、いざ、浜崎重要伝統的建造物群保存地区へ!

次回に続きます…

2012.01.12

こば


 

hitomachi_icon 妻籠宿に行ってきました

お盆休み、2泊3日で長野の旅に出かけました。
中津川まで電車で行き、そこからはレンタカーを借りて激しく移動しました。

1日目、馬籠&妻籠宿。
2日目、奈良井宿、木曽平沢宿、神長守矢資料館、高過庵、茅野美術館にて空飛ぶ泥舟
3日目、安曇野ちひろ美術館

伝建地区3つ観てきました!
今日は妻籠宿について書きたいと思います。

妻籠宿は長野県木曽郡南木曽町にある中山道の宿場町です。
1976年と早い時期に伝建地区に指定されており、江戸時代の美しいまちなみが残っています。

妻籠のまちなみ

夕涼みをするおじいちゃん

約500m程あるそうですが、緩やかにカーブを描く道なみにそって、漆喰と格子の美しい建物が建ち並んでいました。

うだつは、袖うだつが多かったですが、立派な本うだつも観られました。

シンプルながら立派な本うだつ

私は長野に行って初めてみたのですが、石置き屋根も観られました。

石置き屋根

栗きんとんもおススメです。(この季節の栗きんとんはどうなの?とも思いましたが…)

栗きんとんとお抹茶


栗きんとんを食べたカフェの看板娘

かなり観光客でいっぱいでしたが、建物だけ観てると江戸時代へタイムスリップできるような、なかなか素敵なまちでした。

こば

2010.08.17


 

hitomachi_icon うだつ萌え 〜海野宿〜

わが社は、お盆休みをしっかり休みました。リーダーの私は前後の土日にお仕事があったので、実質8月9日から13日の平日のみがお休み。郷里の埼玉に帰ったついでに、伝建地区を1つだけ回ってきました。
海野宿は長野県東御市にある北国街道の宿場まち。割と重伝建の指定の古い宿場町には、町家が連続して残っていることが多いので期待大。さらに今回は「うだつ」の立派なのがあると知っていたので、さらにわくわく…。
ご存知ない方に簡単に説明しておくと「うだつ」というのは「卯建」「卯立」などと表記される建物の部分で、隣家との間の屋根の上あるいは軒下に飛び出ている壁状のものをいいます。屋根の上に出ているのを本うだつ、軒下に出ているのを袖うだつなどと言います。もともとは防火壁であったものと言われており、京都には平安時代には既に見られたものと聞きます。
これがその機能に加えて装飾の要素が強くなり、次第にオトナリさん同士で高さを競うようになります。甲斐性のあるご主人の家は立派で高いうだつを上げることができることから「うだつが上がる」「うだつの上がらない」などという言葉につながっていきます。
私は、何を隠そう「うだつ」マニア。うだつ王子を自称するうだつ好きなもので、うだつと聞くと出かけずにはいられません。

ということで海野宿の風景を一枚。
Unno_udatsu

なかなか立派なうだつです。

海野宿は、その筋ではかなり有名な宿場町ですが、ほとんど観光客もなく、静かで、とても落ち着いた町でした。
あまりお客が来ないのも問題ですが、あまりにも観光地っぽくなってくると、それはそれでなんだかちょっと落ち着かなかったりしますよね。そういう意味ではとてもよい町に見えました。

あさみ

2010.08.16


 

hitomachi_icon 内子のまちなみ

もう1ヶ月以上も前ですが、内子のまちなみを見てきました。
なまことうだつ、漆喰壁の美しいまちで、1982年に国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。もう指定から20年経つのですね。熟成された伝建地区です。
以前からずっと行ってみたいと思っていたまちでした。

内子のまちなみ


なまこ壁に、漆喰壁、虫籠窓、格子戸、うだつのオンパレード!

さりげないけど、アイストップなまこ&うだつにやられたり…

なかでも本芳我家住宅のなまこ壁とコテ絵の凄さに感動しました。

なまこすごい…

なまこきれい…

コテ絵もすごい…これは亀です。

これは鶴です。

破風飾りもコテコテです。

このコテ絵の凄さ。内子にはきっと優れた左官職人さんがいたのでしょう。
黄漆喰や白漆喰の壁も美しく、いくつかの建物の外壁の足下は、左官がまるく塗り回されていて面白かったです。

外壁の足下。くるんと塗り回されています。

熟成されたまちだけあって、景観への配慮がいろいろみられました。まちなみ優等生という感じです。

景観配慮型ホース収納箱+にゃんこ

景観配慮型消火器ボックス

景観配慮型電話ボックス(なまこ仕立て)

ちょっと道を外れたところに廃館になった劇場らしき建物を見つけました。気になる建物です。
残念ながら建物内はみれませんでした。

なぜか気になる建物です

内子座も見てきました。内子座は伝建地区内にあるものとばかり思っていたのですが、結構離れた場所にあってちょっと残念な気持ちになりました。伝建地区内にあったらよかったのに…

木造の劇場、内子座

内子座には個人的にあまりときめきませんでしたが、内子のまちなみの美しさには感動しました。
またいつか訪れてみたいまちです。

こば

2010.06.17


 

hitomachi_icon 伊丹十三記念館へ行ってきました

先日、伊丹十三記念館に行ってきました。
伊丹十三記念館は松山にあります。
設計は中村好文さんです。
中村好文さんの作品を実際に見るのはこれが初めてでした。

大通りから少し入ったところに、黒くてシンプルな外観の建物が建っていました。外からはちょっと閉じた感じを受けました。

伊丹十三記念館の外観

外壁は厚さの違う板材が貼付けられていました

建物の中に一歩足を踏み入れてみると、小さいながらも内に開かれた、緑の美しい中庭に目を奪われました。

芝生のように見えますがクローバーが生い茂っています

中庭の回廊の軒の高さは高過ぎもせず、低すぎもせず、丁度いい高さでなんだかほっとします。ヒューマンスケールというやつでしょうか。

中庭を囲う回廊

入館料を払って、パンフレットをもらい、館内の見学の仕方についてレクチャーを受けました。
ここでまた、このパンフレットにやられました…

パンフレットの表紙

開いてみると…

中村好文さんのスケッチによる屋根伏図が

さらに開いてみると…

建物の平面図と伊丹十三さんについての解説が

素敵です、このパンフレット。

館内の展示も工夫が凝らされていてとても面白かったです。
例えば、引き出しを開けてみるとその中に展示がされていたり、文字では書き表せないのですが、長い布に伊丹さんのスケッチが沢山かかれているものを手押し車でくるくるまわして見れたり。かといって、「やり過ぎ」な感じを受けないのは、シンプルで考え抜かれた展示デザインだからだと思いました。
私は伊丹十三ファン「イタミスト」ではなかったのですが、伊丹さんの味のあるスケッチや、多岐に渡る仕事を見て、多彩な才能を持つおもしろい人だったのだなあと感心しました。(かなり影響を受けて、今月は「伊丹マンスリー」と勝手に称して伊丹十三さんのDVDを見ています)

展示を堪能したあとは、cafeで美しい中庭を見ながらお茶とお菓子を楽しみました。建物をイメージしてつくられたチョコレートケーキが美味しかったです。(写真を残さなかったのが残念…)

なかなか、中村好文さんの実作にふれられる機会はないと思いますので(住宅のなかは見れませんよね)、松山に行かれる際には是非ご覧になってください。

こば

2010.05.14


 

hitomachi_icon 泉布観を見学してきました

連休の最終日、泉布観を見学してきました。
M先輩から、「今、ちょうど泉布観が公開されているよ」と教えていただき、これはチャンスとばかり行って参りました。
泉布観は、年に1度春分の日前後に公開されているそうです。

泉布観の外観。長蛇の列

14時過ぎに到着したのですが、なんと!長蛇の列が…1時間待ちでした。意外でした…
1時間待ちでしたが、おそらく大阪市の職員であろう方がメガホンを使って、めっちゃ細かく(マニアックというか)泉布観についてのお話を聴かせてくれたので、結構楽しく過ごせました。

泉布観を語る人

泉布観は明治4年に造幣寮の応接所として、トーマス・ウォートルスによって建てられました。大阪では現存する最古の洋風建築だそうです。
構造は煉瓦造2階建てのヴェランダ・コロニアルと呼ばれる形式です。
トスカナ式とよばれる花崗岩の石柱と、床面から立ち上がっているフランス窓が特徴的です。

トスカナ式の柱

フランス窓

内部においては、一部床の板の上にペンキで模様が書いてあり、タイルのように見えるのが面白いなと思いました。

タイルみたいなペンキ

タイルみたいなペンキ_2

今度、内部を見れるのはまた来年ですが、興味のある方は是非ご覧下さい。

こば

2010.03.23


 

hitomachi_icon 聴竹居を見学してきました

聴竹居を見学してきました。

聴竹居は、藤井厚二さんの設計による昭和3年の木造平屋建の住宅です。
京都の大山崎にあり、閑静な住宅の中に佇んでいます。
以前は、一般公開されていませんでしたが、現在は申込により見学が可能になっています。

聴竹居は、以前からずっと観に行きたいと思っていた住宅の一つでした。
昭和3年の住宅にして、「環境共生住宅」(今ではよく聴く言葉ですが)であることで有名です。
もちろんその点にも興味がありましたが、やはり写真から受ける洋風と和風が融合した抑制の効いたデザインをこの目で見てみたいと思っていました。

私が聴竹居を観て感じたことは「見せるデザインと見せないデザインの美しさ」でしょうか。
環境共生という点では、居間とつながる3畳間、この3畳間が30センチ程上がっているのですが、この段差を利用して目立たないように引き戸が取り付けられています。ここからは、外部の空気をダクトのようなものを通して冷たい空気が室内に送られます。縁側の天井には、室内の熱気を屋根裏から屋外へ抜く為の引き戸が、よく見ないと分からないように設けられています。夏、冷気を床下から取り入れ、熱気を天井裏から出す、快適な居住空間が作られています。この仕組みが、なるべく目立たないようにひっそりとデザインされていることにやられました…。
また、見せないデザインという点では、解説していただいた方から聴いて分かったのですが、仏間と神棚には両者とも扉が付けられており、普段は扉を閉めて室内をすっきりと見せるデザインになっていました。神棚の下には、マッキントッシュのデザインをパクってつくられたという時計が平然と飾られているのでびっくりです!扉があるからこそできる技!

見せるデザインとして印象的だったのは、床の間です。床の間といってもいわゆる「床の間」らしくないデザインの床の間が客室と居間に設けられています。西洋では暖炉が部屋の中心にあるように、藤井厚二さんはそれを日本の家屋に合う床の間に置き換えたそうです。洋風と和風が融合したモダンデザインの中にこの床の間はすんなりと溶け込んでいました。
そして、どの室の中心に建って室内を見渡してみても、すべての展開が素晴らしく美しかったです。立ってみても美しい、椅子に座って目線を変えてみても美しい。ちなみに、藤井厚二さんの書かれた図面も美しかったです。この住宅にかける意気込みがびしびし伝わってくるようでした。
いつまでもここに身をおいておきたくなる住宅です。
私たちも、藤井厚二さんのような熱意をもって住宅設計に取り組みたいと思いました。

聴竹居がテレビで紹介されるそうです。
 NHK教育テレビ、BShi、総合
 番組名:「美の壺 File 162 昭和レトロの家」
 www.nhk.or.jp/tsubo/
 2010年3月19日(金) 夜10時00分〜10時30分

こば

2010.03.09