ひとまちブログ

 

hitomachi_icon 住環境倫理① 倫理とはなにか

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摂南大学 理工学部 住環境デザイン学科

「住環境倫理」第1回 講義内容

◼人生は課題解決の連続

みなさんが社会に出て活躍する現場では、解決しなければならない難しい課題に出会うことがある。もちろん学生である今だってそうかも知れないけど…。社会で生きることとは、こうした課題の解決の連続であるとも言えるかもしれない。

●旗上げアンケート①「遅刻しそうな朝」

例えば、今日の朝寝坊したとする(笑)

今、飛び起きて急いでしたくをして電車に飛び乗れば、住環境倫理の授業にぎりぎり間に合うか、ちょっと遅刻するかも知れないけど授業には出席できそうだとしよう。
この時、

①「ガバッと起き上がって、したくをして走って電車に飛び乗る」
②「ちょっとぐらい遅刻しても浅見先生なら大丈夫だから、普通に学校に向かう(遅刻)」
③「まだ1度も欠席してないし、1度くらい欠席しても構わないだろうと思って2度寝」

いくつかの選択肢があるよね(笑)

いずれにしても、これからどうするかを決定しなければならない。というか、何かしらの決定をするわけですよ。大げさなようだけど、人生はこういった課題解決(あるいは決定・選択)の連続なわけ。

この例の場合、決定の背景には、今日の体調とか、気分とか、昨晩飲みすぎたとか、最近失恋したとか…。いろいろな事情があると思う。どれをどう選んでもいい(まあ、個人的には「遅刻しないで出てこい!」と思うのだけど…)

さあ、旗をあげてみようか。

この旗上げアンケートが素晴らしいのは、ただ質問をしてもなかなかみんな答えないのに、旗を上げてもらうと上げた番号の理由をみんなが話すようになることです。無口なみんながかなり話をし始めるので結構面白い。

さあ、旗を上げてみよう。



この旗上げアンケートのもう一つ面白いところは、少数意見を黙殺しないというところにもある。

みんなは多数決が民主的だと思っているかも知れないけど、実はいきなり多数決というのは、とんでもなく乱暴な方法だ。もしかしたら、少数の意見の中にとても大事な視点が隠されているかも知れないのに、それをいきなり無視して、「多いから正しい」とすることの理不尽さに気づいてほしい。

多数決をとるなら、きちんと全員の意見に耳を傾けたあとにしてほしいと常々思っています。ちゃんと議論のできる人たちは、そうやって多数決を使っているんだ。そこが大事なんだよね。

さて、少数の意見の人の話を聞いてみよう。

その他と答えてくれた人は誰かな?

「天気による」「電車じゃなくバイクで行く」…なるほど。面白いね。

さて。

◼課題解決の総合が、人格を示す

実は、こうした人生における膨大な数の課題解決(あるいは決定または選択)を総合したものが、他の人からは「あなたらしさ」として映るわけです。つまり、課題解決の方法は(他人から見た)人格そのものであると言ってよい。

この「課題解決をする(決定・判断をする)」ための根拠が「倫理」だ。というように考えてみるとどうだろうか。というのがこの授業の根底にある。きみの決定、つまりきみの倫理観が、きみの人格を形成してると考えてみて欲しい。

ああ、もしかしたら全然別な選択肢があるかもね。「同じ住環境倫理をとっているあの人に会えるからウキウキ授業に行こう!」っていう、次元の違う理由で遅刻せずにやってくるのもアリ。まあ、そういう人はそもそも寝坊なんかしないかも知れないけど…(笑)

◼社会に出ると、事情が少し複雑になる

話を元に戻します。
倫理の話です。

(実は、ここまでは話が簡単なのよ)

この例だと、結局自分の問題でしかないよね。学校の友人たちに「またあいつは遅刻したよ」と思われるかも知れないけど…まあ、自分自身の問題で済む。べつに誰に迷惑をかけるわけじゃない。(いや、何度も言うけど「遅刻しないで出てきてね…」)単位を落としたって、それはそれで自分自身の問題にすぎない。

他にも、例えば「お昼ご飯に何を食べようか」とか「今日電車の中で読む本はどれがいいかな」とか。そういった決定・選択はあまり他の人に影響を与えることがない。そういう決定はそれほど難しくない。いや、もちろんそういう決定もきみの人格を形成するものの1つではあるのだけど。

でも、社会で出会う課題ってのは、もうちょっと難しい課題が多くなりがちです。なぜなら、それは1人の意見では決められないことが多くなるから。それともあるいは「1人で決めたとしても影響を及ぼす範囲がものすごく大きくなるから」と言い換えてもいい。

●旗上げアンケート②「施工ミスを発見したらどうするか?」

また、例を出して話をしよう。

あなたはマンション建設現場の現場監督です。今日の午前中9時からコンクリートの打設が予定されています。あなたは現場監督として、今朝8時前に現場に来て、コンクリート打設前の現場をチェックしていました。すると、明らかに鉄筋の量の足りない梁を発見してしまった。
これを修正するには、鉄筋屋さんを手配する必要があって、9時の打設には到底間に合いそうにないし、もうそろそろ生コン車は生コン工場を出発する頃です。
一方、工事は全体の行程がギリギリで、躯体工事で1日たりとも遅れを出せば、竣工が遅れ、施主からは違約金を請求されるなど、自分の会社に迷惑をかけてしまう。普段は会社からも「絶対に工期を遅らせることのないようにしろ」と言われています。それに、生コンも今日キャンセルしたら無駄なお金がかかって、これも損失になってしまう。
さあここであなたは現場監督として、課題の解決(決定・選択)を迫られています。

どんな選択肢があるだろうか。

①「きっと大丈夫なので見なかったことにして、コンクリート打設を予定通り行う」
②「鉄筋量が足りないと問題なのでコンクリート打設を延期し、鉄筋工事をやり直す」

選択肢は他にもあるかもしれない。どんな判断をしたとしても、その判断の結果は自分の処遇に影響を及ぼすばかりか、自分以外の多くの人に多大な影響を及ぼすことは明らか。

そこが「今日授業に出るか」や「昼に何を食べるか」などと全く違うところです。

意外と簡単じゃないでしょ?
さあ。きみたちならばどうするか、考えてもらいたい。

倫理の授業だから、きっと②が正解だろうっていう判断はなかなか鋭いけど、もう少し問題を自分の内面に引寄せて考えてみて欲しい。②を選べば会社に大損害をもたらすことは明らかで、その額は100万円や200万円ではなく、きっと数千万円の損害になる。現場監督としてそんな額の責任がとれる?

自分だったらどうするか。ちょっと真剣に考えてみてほしいのよ。

また旗をあげてみようね。

この旗上げアンケートのさらに良いところは、他の人が何を上げるかを見ずに、一斉に旗を上げることにもある。地域の自治会の会合なんかだと「自治会長が②をあげてるから私もそれにしとこう」という判断をしがちなことがある。それでは面白くないよね。だから、この方法はそこの問題も解決できる方法だ。他の人の旗を見ずに一斉にあげてみよう。

みんなが自分の気持ちに正直に旗を上げられるためには、どの番号の旗を上げても怒られたり、非難されたりしない環境が必要だ。

だからこの授業の約束として、この場で何を言っても、怒らない・避難しない・他人の意見に耳を傾ける。ということにしよう。

さあ、旗を上げてください。

①コンクリート打設は予定通り行う
②コンクリート打設は延期する
③その他


②が多いね。なんとなく倫理的な授業になってきたなあ(笑)

まあ、ただし、ここでも少数の意見を聞いてみよう。

①みなかったことにすると答えた人は?

「あとあと面倒になるのを避けたい」「指摘したらあとで大変そう」「そんな金額、自分では責任がとれない」

なるほど、みんな共感できるね。

じやあ、③のその他は?

「頼れる先輩に相談する」「僕なら工期を遅らせずに解決できるかも」

なるほど。素晴らしい。みんなよく考えているね。

◼世の中は答えのある問いばかりではない

これから15回にわたる授業では、正解のない問題を扱うことも多いのだけれど、実は、この事例には正解がある。日本建築学会の倫理委員会がパンフレットを出していて、そこに「こういう場合はこうすべき」ということが書かれているので、これを紹介しておくね

https://www.aij.or.jp/jpn/comm/rinri/rinrikyouiku2.28/images/pamphlet.pdf

正解は③その他で、「すぐに上司に伝えて判断をあおぐ」ということになっています。

ええ?それじゃあ根本的な解決にならない?と思いませんでしたか?まあ、その気持は分からないではない。

でも、損害が出ることの責任を取れない立場の人が判断するよりも、責任を取れる、あるいは取るべき立場の人に判断に加わってもらうというのは、組織で仕事をしている以上、最善の方策であることは確かです。

さて。これは、建設現場での話でした。

実は社会に出ると、これよりももっと悩ましい課題に向き合う機会が発生することも多いです。

●旗上げアンケート③「救命ボートの倫理課題」

例えば…

いきなりありえない状況に君たちを追い込むけど、まあちょっと気持ちを切り替えて、この状況に入り込んで、自分の問題として考えてみてほしい。

倫理学の例としてよく出る例で、かなり有名な問題です。知ってる人もいるかも知れないね。救命ボートの問題です。やってみよう。

「船が沈没しました。皆さんは60名まで乗れる救命ボートに乗っています。もう既に50人乗っているので定員で見ればあと10人乗れる。でも、さらに海に投げ出された人が80人いる。60人乗りのボートに110人乗るのはどう考えても無理がある。」

この場合、とりうる選択肢は以下のようなものが考えられます。どれを選ぶか考えてみてほしい。

①全員を乗せて、船は沈没する。
②10人だけ乗せる。
③良心に訴え、救命ボートから何人か降りてもらう
④安全をみて50人乗った状態でその場を離れる。
⑤その他

本気で考えると難しいね…(私だってこんな状況に陥るのはイヤだ)

さすがにこの問題は、あまり経験しそうにない状況かもしれないけど、こうした状況に置かれたときに自分がどんな理由でどんな判断を下すか?ということは、1度考えておいても無駄ではない。

さあ、旗をあげてみよう。


おお。

①を上げた人の意見を聞こう。

「もしかしたら全員助かるかも知れないから、まずは全員を助けようとしたい」

なるほど。浅見個人としてはとても共感できます。実は私もこの問題を出されたら①を選んじゃう人です。きみにはとても共感できるよ。

⑤も少数意見だね。聞いてみよう。

「まずはボート上で話合いをする」

なるほど。それも倫理的かも知れないね。そんな状況で話合いができるかは別として、一つの案としてはあるよね。

「そんなにたくさん乗ってたのならもう一つぐらいボートはあるはずなのでそれを探す」

なるほどなるほど。冷静だね。それも一つの方法だよね。

こうやって聞いていると楽しいね。いろんな人がいろんな意見を持っている。これこそが世の中の楽しいところだ。

ここで言いたいのは、こうした状況で判断をする時のきみたちの判断基準のひとつがきみたちの中にあるそれぞれの倫理感であるということだ。もう少し踏み込んで言えば、きみたちそれぞれが、なにが「正しい」と思うかということが判断の基準になっていると言えるのではないかな。

◼これから倫理の授業であつかう「正しさ」について

倫理ではこの「正しさ」を扱います。

みんなに答を出してもらって分かるように、人それぞれに何が「正しい」と考えるかはそれぞれ違っているよね。自分が「正しい」と思うことと、他人が「正しい」と思うことは違う可能性が高い。さらには、社会が「正しい」としていることも違うかもしれない。

さあ。「正しさ」ってなんだろう。

この15回の授業では、それをみんなで考えていこうと思う。私が住環境にまつわる様々な課題について話題提供を行い、そのテーマで、何が「正しい」のかを考えてみようという試みなのよ。

答を出すことが大切なのではなく、答を導き出そうとして、友人や先輩・後輩や、先生や、ご両親などと対話し、考えて、苦しむことが、きみたちの人生の大きな糧になると信じてこの授業をデザインしていこうと思っています。ぜひ、積極的に参加してほしい。

残り14回の授業では、12のテーマと2回の演習を行います。今年の12のテーマは次の通り。

都市景観|歴史的建造物保存|市民参画社会|災害復興|環境共生|人口減少社会|限界集落|オールドニュータウン|リノベーション|建築デザイン|高齢化社会|建築法規

それぞれに、興味深い話題を提供しようと思っているので、楽しみに出席してほしい。(くれぐれも遅刻しないように(笑))


 

hitomachi_icon 2泊3日萩への旅_3

ここからは旅の2日目。

お天気には強いと自負している私ですが、その日は朝から雨。寒かったです…でもお昼には晴れました!

堀内地区伝統的建造物群保存地区にいってきました。
ここは、とても指定の範囲が広いので、かなり歩きました。
武家屋敷のあとだから、基本的に一敷地が広いのだと思います。

堀内は旧萩城三の丸にあたり、毛利輝元が慶長13年(1608)に指月山に城を築き、町割をおこなったことに始まるそうです。当時は、藩の諸役所(御蔵元・御木屋・諸郡御用屋敷・御膳夫所・御徒士所)と、毛利一門をはじめとする大身の武家屋敷が建ち並んでいたそうです。

武家屋敷の長屋門や、武家屋敷を囲む土塀がきれいに残っていました。
重伝建の指定は昭和51年。もう指定から35年も経っています。

この通りの土塀は、漆喰のもの、土壁のもの、土壁に瓦の入ったものの3種類が見えています。

この土塀は漆喰とみかんのオレンジが生えてとてもきれいです。

この石積みと土壁の組み合わせ!

同じく!

もういっちょ!

まだまだ!

いろんな表情の土塀があって、塀を見て歩くだけでも楽しいです。

ちなみにブロック塀もありました。つまらないですね…

これは武家屋敷の長屋門を内側から見たところです。立派な長屋門です。

外から長屋門。出格子のデザインがかっこいいです。

これは違う長屋門。立派な鴟尾がついています。

歩いていると可愛いお地蔵さんに遭遇。服を着せてもらって暖かそうです。

なまこ壁の武家屋敷もありました。

綺麗ななまこ壁です。

アイストップなまこ〜!

景観配慮型自販機もありました。

景観配慮といえば、大きな通り沿いのdocomoショップや、ユニクロなどが、白い店舗、白い看板に茶色の文字と、かなり景観に配慮した建物になっていました。

萩のまちは、景観優等生ですね。でも、すべての店舗がそうというわけではないですが…。シンプルな看板にするだけでもまちが落ち着いてみえます。

もとにもどって、なまこ壁ストリート。

きれいです。

美しい格子

歩いていると、すごく人なつっこい犬に出会いました。というか、押し倒されました。笑。犬は好きなので嬉しいんですけど…

堀内地区は、建物もみましたが、基本的に塀を見て歩くのが楽しかったです。
建物の形状は様々でも、建物の外の壁が整っているだけで、まちというものは美しくみえるのだということを実感しました。

2012.01.18

こば


 

hitomachi_icon 2泊3日萩への旅_2

まず、はじめに訪れたのは港の近くにある浜崎伝統的建造物群保存地区です。

浜崎は、城下町の形成にともなって開かれた港町で、近世は北前船の寄港地として廻船業と水産業で栄え、大正から昭和初期にはイリコなどの水産加工業や夏蜜柑等の積み出し港として栄えたそうです。江戸時代以来の街路、敷地割がよく残り、南北を走る本町筋を中心に江戸時代から昭和初期に建てられた町家が数多く残っています。
重伝建の指定は平成13年なので、指定から約10年が経っています。

詳しい地図を持たずに、感を頼りに歩いていると、出会いましたよ!

きた!うだつ、格子、虫籠窓!

ぶらぶらまちを見ながら歩いていると、旧山中家住宅(浜崎町並み交流施設)にたどり着きました。

旧山中家住宅

ここで、浜崎のマップを手に入れ、NPOでこのお宅にいらっしゃったお母さんに、建物の説明と、浜崎の見所を教えていただきました。旧山中家住宅は、京都の町家によく似ていて、細長い形状で、建物の真ん中にお庭があります。また、建物にはたくさんの引札が色鮮やかに残っていました。

そしてすぐ近くの旧村山船具店へ。
とても漆喰となまこ壁の美しい建物でした。

とても大きな商家です

とても美しいなまこ壁

ここにも NPOのお母さんがいらして、建物を詳しく案内していただき、まちの中も案内して頂きました。
こういう、まちに対する愛の感じられる人がたくさんいる地区は、まちが生き生きとしています。
重伝建にもいろいろありますが、こんな素敵な人がいるまちは、とてもいい雰囲気を醸し出していると思います。

親切にガイドしていただいたお母さん方

お母さんに案内していただいて、旧萩藩御船倉の中にいれてもらいました。
この、立派な船倉は、昔は4つあったそうです。3つは取壊されてしまったとのこと。残念です。

力強いさを感じる建築

船倉の中。8mの梁がかけられています。石は野面積

いつまでもお母さんに案内していただくわけにもいかないので、お別れして、まちをぶらぶら観察して歩きました。

あまり見かけない木の虫籠窓

格子の美しい住宅

これは漆喰の虫籠窓

ちょっとしたバルコニーがついている家をたくさん見ました

建物ではないですが、かわいいマンホールを発見!

ちゃんと消防士さんも乗ってます

まちのいたる所で、様々なブラケットを見かけました。

きれいなブラケット


格子戸を背景にしたポスト

すてきな路地もありました

これもきれいな格子戸がついています

昭和を感じるバルコニー。好きです…

丁寧とは言えないけどなんとも味わい深いです

蔀戸のついた家もたくさんありました

なまこ壁の続くナイス路地!

ほぼ軒先のそろった家並み

銅板巻の立派なうだつに出会いました!

瓦までのってますよ!

まちをクンクンしながら歩いていると、見たこともないお寺を発見!

よくみてください。ブラケットが…

何?

これはなんなの…ちょっと怖いけど笑う

浜崎のまちは、建築的にとても見所満載、そして元気なお母さんのいるまちで、とても好きになってしまいました。

2012.01.17

こば


 

hitomachi_icon 2泊3日萩への旅_1

みなさん、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

1月の3連休を使って、萩の重要伝統的建造物群保存地区を4カ所見てきました。
私は、自称、重伝建マニアでございます。

1日目、浜崎重要伝統的建造物群保存地区
2日目、堀内地区重要伝統的建造物群保存地区、平安古地区重要伝統的建造物群保存地区
3日目、佐々並市重要伝統的建造物群保存地区

の4カ所を見てきました。

萩へは、電車を使う場合、新幹線を新山口でおりて、バスに乗るのが早いようです。
それを知らず、電車で萩駅まで行ってしまいました。
でも、萩駅は大正時代に建てられた素敵な駅舎でした。

大正の香りただよう素敵な駅舎

デザインされたブラケット装飾

それから、飛び込みたくなるようなテレフォンボックスも!

自働電話と書いてあります

萩の町は、30分に1本のバスが走っています。何処まで乗っても100円!バスに乗り、お昼に美味しいお寿司を食べて、いざ、浜崎重要伝統的建造物群保存地区へ!

次回に続きます…

2012.01.12

こば


 

hitomachi_icon 妻籠宿に行ってきました

お盆休み、2泊3日で長野の旅に出かけました。
中津川まで電車で行き、そこからはレンタカーを借りて激しく移動しました。

1日目、馬籠&妻籠宿。
2日目、奈良井宿、木曽平沢宿、神長守矢資料館、高過庵、茅野美術館にて空飛ぶ泥舟
3日目、安曇野ちひろ美術館

伝建地区3つ観てきました!
今日は妻籠宿について書きたいと思います。

妻籠宿は長野県木曽郡南木曽町にある中山道の宿場町です。
1976年と早い時期に伝建地区に指定されており、江戸時代の美しいまちなみが残っています。

妻籠のまちなみ

夕涼みをするおじいちゃん

約500m程あるそうですが、緩やかにカーブを描く道なみにそって、漆喰と格子の美しい建物が建ち並んでいました。

うだつは、袖うだつが多かったですが、立派な本うだつも観られました。

シンプルながら立派な本うだつ

私は長野に行って初めてみたのですが、石置き屋根も観られました。

石置き屋根

栗きんとんもおススメです。(この季節の栗きんとんはどうなの?とも思いましたが…)

栗きんとんとお抹茶


栗きんとんを食べたカフェの看板娘

かなり観光客でいっぱいでしたが、建物だけ観てると江戸時代へタイムスリップできるような、なかなか素敵なまちでした。

こば

2010.08.17


 

hitomachi_icon うだつ萌え 〜海野宿〜

わが社は、お盆休みをしっかり休みました。リーダーの私は前後の土日にお仕事があったので、実質8月9日から13日の平日のみがお休み。郷里の埼玉に帰ったついでに、伝建地区を1つだけ回ってきました。
海野宿は長野県東御市にある北国街道の宿場まち。割と重伝建の指定の古い宿場町には、町家が連続して残っていることが多いので期待大。さらに今回は「うだつ」の立派なのがあると知っていたので、さらにわくわく…。
ご存知ない方に簡単に説明しておくと「うだつ」というのは「卯建」「卯立」などと表記される建物の部分で、隣家との間の屋根の上あるいは軒下に飛び出ている壁状のものをいいます。屋根の上に出ているのを本うだつ、軒下に出ているのを袖うだつなどと言います。もともとは防火壁であったものと言われており、京都には平安時代には既に見られたものと聞きます。
これがその機能に加えて装飾の要素が強くなり、次第にオトナリさん同士で高さを競うようになります。甲斐性のあるご主人の家は立派で高いうだつを上げることができることから「うだつが上がる」「うだつの上がらない」などという言葉につながっていきます。
私は、何を隠そう「うだつ」マニア。うだつ王子を自称するうだつ好きなもので、うだつと聞くと出かけずにはいられません。

ということで海野宿の風景を一枚。
Unno_udatsu

なかなか立派なうだつです。

海野宿は、その筋ではかなり有名な宿場町ですが、ほとんど観光客もなく、静かで、とても落ち着いた町でした。
あまりお客が来ないのも問題ですが、あまりにも観光地っぽくなってくると、それはそれでなんだかちょっと落ち着かなかったりしますよね。そういう意味ではとてもよい町に見えました。

あさみ

2010.08.16


 

hitomachi_icon 内子のまちなみ

もう1ヶ月以上も前ですが、内子のまちなみを見てきました。
なまことうだつ、漆喰壁の美しいまちで、1982年に国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。もう指定から20年経つのですね。熟成された伝建地区です。
以前からずっと行ってみたいと思っていたまちでした。

内子のまちなみ


なまこ壁に、漆喰壁、虫籠窓、格子戸、うだつのオンパレード!

さりげないけど、アイストップなまこ&うだつにやられたり…

なかでも本芳我家住宅のなまこ壁とコテ絵の凄さに感動しました。

なまこすごい…

なまこきれい…

コテ絵もすごい…これは亀です。

これは鶴です。

破風飾りもコテコテです。

このコテ絵の凄さ。内子にはきっと優れた左官職人さんがいたのでしょう。
黄漆喰や白漆喰の壁も美しく、いくつかの建物の外壁の足下は、左官がまるく塗り回されていて面白かったです。

外壁の足下。くるんと塗り回されています。

熟成されたまちだけあって、景観への配慮がいろいろみられました。まちなみ優等生という感じです。

景観配慮型ホース収納箱+にゃんこ

景観配慮型消火器ボックス

景観配慮型電話ボックス(なまこ仕立て)

ちょっと道を外れたところに廃館になった劇場らしき建物を見つけました。気になる建物です。
残念ながら建物内はみれませんでした。

なぜか気になる建物です

内子座も見てきました。内子座は伝建地区内にあるものとばかり思っていたのですが、結構離れた場所にあってちょっと残念な気持ちになりました。伝建地区内にあったらよかったのに…

木造の劇場、内子座

内子座には個人的にあまりときめきませんでしたが、内子のまちなみの美しさには感動しました。
またいつか訪れてみたいまちです。

こば

2010.06.17


 

hitomachi_icon 伊丹十三記念館へ行ってきました

先日、伊丹十三記念館に行ってきました。
伊丹十三記念館は松山にあります。
設計は中村好文さんです。
中村好文さんの作品を実際に見るのはこれが初めてでした。

大通りから少し入ったところに、黒くてシンプルな外観の建物が建っていました。外からはちょっと閉じた感じを受けました。

伊丹十三記念館の外観

外壁は厚さの違う板材が貼付けられていました

建物の中に一歩足を踏み入れてみると、小さいながらも内に開かれた、緑の美しい中庭に目を奪われました。

芝生のように見えますがクローバーが生い茂っています

中庭の回廊の軒の高さは高過ぎもせず、低すぎもせず、丁度いい高さでなんだかほっとします。ヒューマンスケールというやつでしょうか。

中庭を囲う回廊

入館料を払って、パンフレットをもらい、館内の見学の仕方についてレクチャーを受けました。
ここでまた、このパンフレットにやられました…

パンフレットの表紙

開いてみると…

中村好文さんのスケッチによる屋根伏図が

さらに開いてみると…

建物の平面図と伊丹十三さんについての解説が

素敵です、このパンフレット。

館内の展示も工夫が凝らされていてとても面白かったです。
例えば、引き出しを開けてみるとその中に展示がされていたり、文字では書き表せないのですが、長い布に伊丹さんのスケッチが沢山かかれているものを手押し車でくるくるまわして見れたり。かといって、「やり過ぎ」な感じを受けないのは、シンプルで考え抜かれた展示デザインだからだと思いました。
私は伊丹十三ファン「イタミスト」ではなかったのですが、伊丹さんの味のあるスケッチや、多岐に渡る仕事を見て、多彩な才能を持つおもしろい人だったのだなあと感心しました。(かなり影響を受けて、今月は「伊丹マンスリー」と勝手に称して伊丹十三さんのDVDを見ています)

展示を堪能したあとは、cafeで美しい中庭を見ながらお茶とお菓子を楽しみました。建物をイメージしてつくられたチョコレートケーキが美味しかったです。(写真を残さなかったのが残念…)

なかなか、中村好文さんの実作にふれられる機会はないと思いますので(住宅のなかは見れませんよね)、松山に行かれる際には是非ご覧になってください。

こば

2010.05.14


 

hitomachi_icon 泉布観を見学してきました

連休の最終日、泉布観を見学してきました。
M先輩から、「今、ちょうど泉布観が公開されているよ」と教えていただき、これはチャンスとばかり行って参りました。
泉布観は、年に1度春分の日前後に公開されているそうです。

泉布観の外観。長蛇の列

14時過ぎに到着したのですが、なんと!長蛇の列が…1時間待ちでした。意外でした…
1時間待ちでしたが、おそらく大阪市の職員であろう方がメガホンを使って、めっちゃ細かく(マニアックというか)泉布観についてのお話を聴かせてくれたので、結構楽しく過ごせました。

泉布観を語る人

泉布観は明治4年に造幣寮の応接所として、トーマス・ウォートルスによって建てられました。大阪では現存する最古の洋風建築だそうです。
構造は煉瓦造2階建てのヴェランダ・コロニアルと呼ばれる形式です。
トスカナ式とよばれる花崗岩の石柱と、床面から立ち上がっているフランス窓が特徴的です。

トスカナ式の柱

フランス窓

内部においては、一部床の板の上にペンキで模様が書いてあり、タイルのように見えるのが面白いなと思いました。

タイルみたいなペンキ

タイルみたいなペンキ_2

今度、内部を見れるのはまた来年ですが、興味のある方は是非ご覧下さい。

こば

2010.03.23


 

hitomachi_icon 聴竹居を見学してきました

聴竹居を見学してきました。

聴竹居は、藤井厚二さんの設計による昭和3年の木造平屋建の住宅です。
京都の大山崎にあり、閑静な住宅の中に佇んでいます。
以前は、一般公開されていませんでしたが、現在は申込により見学が可能になっています。

聴竹居は、以前からずっと観に行きたいと思っていた住宅の一つでした。
昭和3年の住宅にして、「環境共生住宅」(今ではよく聴く言葉ですが)であることで有名です。
もちろんその点にも興味がありましたが、やはり写真から受ける洋風と和風が融合した抑制の効いたデザインをこの目で見てみたいと思っていました。

私が聴竹居を観て感じたことは「見せるデザインと見せないデザインの美しさ」でしょうか。
環境共生という点では、居間とつながる3畳間、この3畳間が30センチ程上がっているのですが、この段差を利用して目立たないように引き戸が取り付けられています。ここからは、外部の空気をダクトのようなものを通して冷たい空気が室内に送られます。縁側の天井には、室内の熱気を屋根裏から屋外へ抜く為の引き戸が、よく見ないと分からないように設けられています。夏、冷気を床下から取り入れ、熱気を天井裏から出す、快適な居住空間が作られています。この仕組みが、なるべく目立たないようにひっそりとデザインされていることにやられました…。
また、見せないデザインという点では、解説していただいた方から聴いて分かったのですが、仏間と神棚には両者とも扉が付けられており、普段は扉を閉めて室内をすっきりと見せるデザインになっていました。神棚の下には、マッキントッシュのデザインをパクってつくられたという時計が平然と飾られているのでびっくりです!扉があるからこそできる技!

見せるデザインとして印象的だったのは、床の間です。床の間といってもいわゆる「床の間」らしくないデザインの床の間が客室と居間に設けられています。西洋では暖炉が部屋の中心にあるように、藤井厚二さんはそれを日本の家屋に合う床の間に置き換えたそうです。洋風と和風が融合したモダンデザインの中にこの床の間はすんなりと溶け込んでいました。
そして、どの室の中心に建って室内を見渡してみても、すべての展開が素晴らしく美しかったです。立ってみても美しい、椅子に座って目線を変えてみても美しい。ちなみに、藤井厚二さんの書かれた図面も美しかったです。この住宅にかける意気込みがびしびし伝わってくるようでした。
いつまでもここに身をおいておきたくなる住宅です。
私たちも、藤井厚二さんのような熱意をもって住宅設計に取り組みたいと思いました。

聴竹居がテレビで紹介されるそうです。
 NHK教育テレビ、BShi、総合
 番組名:「美の壺 File 162 昭和レトロの家」
 www.nhk.or.jp/tsubo/
 2010年3月19日(金) 夜10時00分〜10時30分

こば

2010.03.09