年末のご挨拶(2015)

さて年末です。
皆さん、本年も大変お世話になりました。ありがとうございました。

毎年述べてますが、大晦日だからって今日と明日の境目と、昨日と今日の境目は、同じ1日の境目であって、その違いを云々しているのは、私たちの解釈の仕方の違いでしかないのですよね。まあ、1年のおしまいに意味を見出す解釈そのものが、私たちの暮らしの姿なのかもしれないけど。

さて、わが社も今年は創業6年目の1年間を過ごしました。
曲がりなりにもこうして営業を続けてこれたのは、ひとえにわが社を温かく見守ってくださっている皆さんのおかげと、大変感謝しております。

この1年のトピックとしては、やはり、2011年からお手伝いを続けてきた気仙沼の只越地区の防災集団移転&災害公営住宅の事業が完成を迎え、協議会の解散式を迎えることができたことがあげられると思います。まだ転居の済んでない方もいらっしゃいますが、多くの皆さんが、あの災害後4年半を経て、ようやく暮らしを再建しつつあります。
かげながらでもそのお手伝いができたことは、とても貴重な経験となっています。
被災地へ私達を派遣して下さっている兵庫県をはじめ、気仙沼市や、地域住民の皆さんに感謝しています。
実は、只越は気仙沼では完成がかなり早い方で、気仙沼ではまだまだたくさんの皆さんが仮設住宅での暮らしを余儀なくされていらっしゃいます。来年度からの兵庫県や気仙沼市の派遣の制度の継続が難しいと伺っていますが、他の地域の皆さんのお手伝いなど、これからも、およばずながら復興のお手伝いを続けていければと考えています。

復興のお仕事というと、今年はじめに起きた城崎温泉の火災復興のお手伝いに関わらせていただいていることも特筆すべきことと思います。被災された皆さんの生活再建を最優先に、土地利用の問題を中心に検討のお手伝いを続けてきました。この活動の過程で、城崎の景観づくりについて関わらせていただいており、とても有意義な経験をさせていただいております。少しでも私たちの職能が皆さんのお役に立つよう、これからも活動を続けたいと思っています。

建築設計の分野では主に、気仙沼でお手伝いを続けてきた住宅3棟と、居酒屋さん1棟の工事が進行していたため、気仙沼に通うことがとても多い1年となりました。おかげさまで、住宅の竣工1つを残すのみとなりました。気仙沼のお仕事では、現場が遠いのは色々と不都合もあるものの、やり方によっては東北でお仕事をすることも可能であるということが明らかになりました。ただし、これを成立させるには、サポートメンバーズとしての山梨の溝呂木さんと、東京の滝川さん、愛知の桜木さんのご協力が不可欠でした。今後も、遠方での建築設計のお仕事がいくつか続きそうです。よいネットワークをうまく生かしていけたらよいなあと考えています。

また、西宮市の船坂では、まちづくりのお手伝いを通じて、旧小学校の展示室計画のお手伝いをさせていただきました。地域の大きな地形模型をつくり、この上に思い出の旗を立てていくという「完成しない郷土資料館」のコンセプトを地域住民の皆さんがご理解くださり、2年をかけて「舟坂資料室」を完成することができました。このプロジェクトも、明石高専の水島先生や学生さん達、サポートメンバーズの小畦さんや、西宮流の皆さん、studio-Lの村岡さんをはじめ、その他本当に数多くの皆さんとの共同作業となりました。これからもここでの皆さんとの出会いを大切に育てていけたらと思います。

まちづくりの分野では、神戸市内のいくつかの地域で防災計画づくりのお手伝いをさせていただくことになりました。復興のお仕事を通じて、自然災害の被害をできるだけ小さくすることがどれだけ重要かを痛感している身としては、これから少しでも力を入れていきたい分野です。

一方、オールドニュータウンの再生支援として、北区の有野台団地のお手伝いも始まりました。地域の皆さんと「有野台を考える会」を組織し、アンケート調査や、まちあるき、ニュースの発行、ワークショップの開催と、現状の把握と地域住民のの皆さんの意識醸成を進めてきたところです。プロジェクトを通じて、わが社の山岸さんが大変実力をつけて、育ちつつあることもうれしいことの1つです。これから来年度にかけて、計画をとりまとめ、具体的な取組みに移行していく予定で、今後が楽しみなプロジェクトです。

また、豊岡市さんのお手伝いで、いくつかの地域で地域コミュニティ組織づくりのアドバイザー業務も始まりました。地域の皆さんが、自分たちの地域の問題を自分達で解決するというのが地域づくりの基本だと考えています。良い感じで進んでいるのでこの調子でお手伝いが続けられるといいなと思っているところです。

兵庫県の地域再生大作戦を発端にした集落のお世話も、養父市内や香美町・佐用町内のいくつかの地域で続けており、これもきちんと続けていけたらいいなあと考えています。(えらくあっさり記載しておりますが、これらの地域のお手伝いには、かなりコミットしておりまして、これからもコミットし続けるつもりです)

さて、いずれの地域でも、少子高齢化が進行し、地域の人口が減少していく中で地域をどう維持していくか、多くの地域の皆さんの幸せをどのように維持していくかということが大きな課題になっています。これから都会を含む多くの地域で問題になるに違いない課題に、一番最初に取り組んでいる地域だと認識し、この問題解決の答えを、地域の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。いずれにしても、答えは地域によって違うものになるだろうと思っていて、この問題に1つの正解があるものではないと考えているところです。

社会全体が抱えているこのような問題にどうやって取り組んでいけばと考えた時、その答えの1つとして、私達が見出しているのは「多くの市民が、問題に取り組む知恵を身につけること」という解決策です。とても遠回りだけど、この方法が確実な気がするのです。
というワケで、その取り組みの1つである、去年に引き続き今年も西宮市さんと西脇市さんで講座を開講させていただいた「地域の話合い講座」は、場所や形が変わっても、これからも続けていきたいと考えています。

できれば、小さな子供たちを相手に、こうした社会問題に取り組む姿勢を育てるような活動に広げていければいいなあと思っています。(←実はこの子供たち相手の活動については具体的なビジョンがありません。どなたかオファー下さい(笑)

そんなワケで、今年も大変多くの皆さんにお世話になりました。
2016年も、こんなわが社に凝りずに、いろいろとお世話を継続していただけると助かります。皆さんのお役に立てるよう、精一杯の努力を続けたいと考えております。

あれま、のんびり書いているうちに、年が変わってしましました。
(まあ、年の変わり目は、別に重要じゃないと宣言して書き始めてるので、このまま続けようと思っております。あ、それに、夜が明けるまでは年内だもんね)

振り返るだけじゃなくて、新たなビジョンについても語りたいと、この数日、かなり一生懸命考えてきましたが、もう一つビジョンがまとまらないので、新しいビジョンについては新年のご挨拶にてお知らせできればと思っています。(できるのか?)

本年もお世話になりました。
新年からもどうかよろしくお願いいたします。

100以上のまちづくりに関わった専門家が 日本全国、どこにでも
お伺いします。

Top