hitomachi_icon 中山間の集落の維持・活性化・再生

集落活性化のためにできることとは?

中山間地域とは、一般には山間の傾斜の多い場所のことをさします。
山地の多い日本は、中山間地域だらけで、その多くは人口が減少し少子高齢化が進んでいます。
もちろん、皆さんも聞いたことがあるように、中山間地に限らず日本のほとんどの地域や自治体で、人口減少・少子高齢化が進行しています。

総人口の減少

減少を食い止め、増加に転じることは可能か

朗らかに語り合う様子
人口減少と聞くと、かなり多くの人が「子どもをたくさん産んでもらおう」とか「どこかから移住してもらって人口を増やしたらいい」と考えるようです。そんな風に「ちょっと頑張れば増えるんじゃない?」と考えている人はとても多い。

だけど考えてみてください。
事態はそんなに楽観視できる状況にはありません。
ここにあげたグラフを見ていただくと分かりますが、実は日本の人口は2004年を境にして減少に転じています。
そして、この先とんでもない勢いで減少していく予測になっています。
そんなのは単なる予測だと、子供をたくさん産めばいい…と考えますか?

もし仮に、今の瞬間に子どもがたくさん生まれ始めて、出生率が突然2.0とか3.0とかになったとしても、高齢の方々が減る数の方が格段に多いため、人口は減り続けることが確定しています。子供をたくさん産むぐらいではどうにもならないのです。
ただし、もしも今から子どもが生まれたとして、その子達がさらにたくさんの子供達を産み始める20年先・30年先になれば少しは違うかもしれません。
つまり、これから20年〜30年は、何が起きても確実に人口は減り続けるのです。
これは、予測でもなんでもなく、ちょっと考えれば分かる算数の問題のようなもので、実はこればかりは逃れようがないのです。

人口減少・高齢化は本当に悪いことなのか?

村カフェ
ところで、人口が減るのって、悪いことなんでしょうか?
それを考える前に、まず高齢化率が高くなっていくことは問題なのか、というテーマから考えてみましょう。

地元の会合で皆さんに聞くと、高齢者の方々が、口をそろえて「うちの地域は高齢化率が高いのが問題だ」と言います。
「本当にそう?そういうあなたは高齢者ですが、あなたの存在は「問題」ですか?」とお聞きすると、これも口をそろえて「いやいや、私は「問題」なんかじゃない」と言います。
私の目にも問題があるようには映りません。
このように、自分のことが問題じゃないと思っている高齢者の皆さんが「高齢化率が高くて問題」っていうのっておかしくないですか?
実は、高齢者が多くなることが問題なのではなくて、高齢の人が多くなって、生活に不便をすることが多くなってくる。
その「不便」や「危険」のあり方が問題なのであって「年をとったから悪い」ということでは決してないはずです。

人口が減ることも同じですよね。人口が減ることで何が問題になるのかを、きちんと考えずに、人口が減ることそのものを問題だと言い続けても意味がありません。
人口が減るのは逃れられないのですから…。

ここでわが社が提唱したいのは「これからの地域社会では、この「人口減少の事実」を逆手にとって「人口が減るからこそ幸せが得られるような地域社会モデル」を考えておいた方がいいんじゃないか」ということです。

人口が減ることそのものは決して悪いことじゃないと思い決めて、むしろ減ることによる利点を最大限に活かすような地域社会運営の姿勢が必要になるのではないかと考えます。

集落がいつまでも元気でいるために

中山間から都市部へ、野菜の出張販売
集落が元気でいられるために必要なのは、地域に今ある問題をきちんと認識し、それを自分たちでできる方法で、あるいは地域にある資源を使って解決していくこと。

そして、その作業をできるだけ楽しくやることではないかと考えます。
もちろん、今、全く問題がない。という集落もあるかも知れません。
それはそれで、すごくいいことだけど、10年先、20年先の集落の未来を考えて、
その時どんな集落であったらいいかを考えておくことは決してムダにはならないですよね。

みんなで地域資源をみつけ、みんなでその資源で地域の課題を解決していく。
古くからある集落だからこそ、伝統の業や技術が眠っていたりします。
地域の資源を探そうと言うと「うちの村にはなんにもない」とおっしゃる方は多いですが、
実は「なんにもない村」なんてありません。どんな地域にも必ず貴重な財産が眠っています。

わが社でお手伝いしている集落の事例

地域の伝統を守る!紙すきの復活
集落が元気でいつづけるためには、そこに住む人たちのコミュニケーションが大事。

例えば、筏地区では、みんなが気軽に立ち寄れる「村カフェ」としてコミュニケーションの場を提供しました。
小佐地区では、2ヶ月に1度のおさごはんの会の開催を通じて、地域内コミュニケーションを豊かにし、特産品としての「おさの実りもち」の開発のお手伝いもさせていただきました。

地域が元気でいられるためには、皆が元気に働けること。
馬瀬地区では、集落でできた新鮮野菜を、都会で販売するイベントを行ったり、丸味地区では、但馬牛の堆肥で育った、とびきり美味しい大根のブランドづくりや、ミョウガ寿司の製造・販売のお手伝いを続けています。

地域が元気であるというのは、地域の資源・歴史文化が生きていること。
長須地区では、40年以上前に途絶えていた地域の和紙作り文化を掘り起こし、紙すき小屋の建設や地元高校生の参加を通じて、和紙の里再興を目指しています。

集落の元気って何?

特産品開発プロジェクト
わが社でも最初は「集落の元気」というのを「人口が増えること」だとか
「お金が儲かること」だとか「お客さんがたくさん来ること」などであると考えてきました。
でも、どうやら最近そうではないように思い始めています。
集落の元気といういのは、まず第一義に「地域の皆さんがニコニコと幸せに、自分の住みたいその場所で、暮らしを維持し続けられること」だと思います。
ここを外してしまってはいけません。そして、実はこれが最も重要なことなのではないか、と考えています。

こうした考えを基本に、私たちは、現在も各地で、集落の現状調査・診断から始まり、地域の資源を発見し、地域内外のコミュニケーションを再構築し、皆で将来のビジョンを共有し、そのビジョンに向かって歩き出すためのお手伝いを続けています。