hitomachi_icon 村カフェ|ムラあるき|ゆずプロジェクト

~養父市大屋町筏地区(やぶしおおやちょういかだ)~

いかだげんきかい!

筏地区は、養父市大屋町西谷地区にある約60世帯の集落です。
もとは林業と養蚕とで栄えた村で、人口の多かった時期には小学校や映画館・商店・食堂などもあり、賑わっていた集落だそうです。現在は商店はなくなり、
西谷小学校も廃校となっていますが、郵便局が残っているなど、
周辺の西谷地区の中心的な集落です。

集落内には、落差98mの天滝(てんだき|日本の滝100選)があり、
特に紅葉の時期の景色は見事で、たくさんの観光客がやってきます。
筏では、集落内の有志による「天滝を活かす会」を組織、このグループを中心に観光ルートの整備や、ボランティアガイド、レストハウスの運営などにあたっていますが、メンバーの減少や高齢化により、集落活動が少しずつしんどくなってきています。

私たちが初めて訪れたのは兵庫県の小規模集落元気作戦事業のアドバイザーとしてでした。
初回の会合で、この集落の「元気」を維持していくためには、集落内のできるだけ多くの皆さんが、だれでもいつでも議論に参加できる場を設けるのがよいのではないかと提案をしました。
そして、この話合いの場を「いかだげんきかい!」と呼ぶことに皆で決定。
これは、会の名前であるとともに「いかだは元気かい?」という質問・メッセージの意味も込めたものでした。

都市農村交流より、地域内コミュニケーションが大事

「いかだげんきかい」で話をしていると、都市農村交流をしてはどうかという話が時々出ます。
「都会の人を呼び込んで村を元気にしよう!」

うん。分からなくはありません。
確かに都会の人が呼べるとステキなのはわかりますが…

実は、ちょっと変だなと気づいたことがありました。
それは、いかだの人達は地域内でのコミュニケーションがあんまり取れてないのではないかということです。
特に、お年寄りは若い人達のことをほとんど知りませんし、若者はお年寄りのことをほとんど知りません。
60件ぐらいしかない集落で、同世代なのに、
もう何年も会ってない人がいたりします。これは問題なんじゃないか…

都市農村交流より、地域内コミュニケーションが大事

「都市農村交流もいいけど、地域内交流・地域内コミュニケーションの方が先なのではないか?」
そこでわが社が始めたのが「村カフェ」でした。

村カフェの試み

村カフェの試み
100均ショップでコーヒーのカップ&ソーサーを買い込み、カセットコンロ・やかんコーヒードリッパ・とサーバーを用意。
これを車に積み込んで集落に出向き、集落内の道沿いのお宅のガレージをお借りして、即席のコーヒーショップを開催。実費だけをいただくカフェイベント「村カフェ」を月に1度開催することにしました。

村カフェの試み
最初は何が始まったのかと、遠巻きに見ていた筏の人達ですが、徐々にコーヒーを飲みに来てくれるようになり、2年目を迎える頃には最大で16人と「村カフェ」に全人口の1割近くの参加があることも…

村カフェの試み
小学生や中学生が学校帰りに寄ってくれたり、ギターを持ってきて歌を歌ってくれる集落内のおじさんが現れたりと、かなり盛り上がることになりました。
県の事業の年限が切れ、しばらく休止中ですが、村カフェは私たちにとっても楽しい事業。
またどこかでぜひやりたいなあと思います。

将来の人口推計

さて、村カフェなどを通じて、集落の皆さんと仲良くなりはじめた頃。
いかだげんきかいで「筏は10年後、20年度どうなっちゃうのだろう」という
疑問を表明した人がいました。
確かに、人口は減り続けているし、高齢化は進みつつあるし、
空き家も増えつつある。
このまま何もしないでいると村がどうなってしまうのかが気になります。

そこで、皆で各家庭の人口構成を全て書き出し、年代別人口を出し、
10年後・20年後に各家庭がどうなっているかを予測する作業を行いました。
集落の大きさが小さいので、かなり具体的な将来予測が可能でした。
その結果、集落の人口は20年後に35%減、
空き家は約半数に増えているだろうことが予測できました。
これを食い止めることはできないかも知れませんが、
それでも皆が幸せに暮らせるビジョンはあるのではないかと、
その方策を模索しているところです。

将来の人口推計

ゆずの特産品開発

集落には、廃校になった旧西谷小学校の校舎が残っており、
ここを借り上げる形で醸造会社さんが操業しています。
この会社では、ゆずを使ったポン酢をつくっていて、
この原材料となる地物のゆずを、地域内で生産して欲しいと言われて、数年前からゆずの栽培を行っています。
毎年500kg~600kgのゆずを納入していますが、果汁をしぼった後のゆずは、
皮も種も捨てられていました。

いかだげんきかい!では、この皮と種に着目しました。
これを使って地域の特産品をつくれば、もともと捨てているものですから、
原材料が無料のゆず製品ができることになります。
皮を使ったジャムをつくったり、ゆずピール、ゆずかりんとうなど、
いろいろと試作して商品化の道を探っています。
現在は特に、ゆずの種を使った商品開発を手がけています。

商品を開発するときに、もともと地域内にないもので何かを始めようとすると、
大きな苦労を伴うことになります。
開発の基本は、今あるものを上手に使って品質のよいものをつくることです。
大規模なビジネスで大きく儲けることを目指すのではないならば、
あるものを使って小さく始めることが重要ではないでしょうか。
筏のゆずの取組みは、そういった意味で可能性があるのではないかと
考えているところです。

ゆずの特産品開発

中山間の小規模な集落の再生事業では、地元の皆さんの話合いの中から、
地域再生のためのアイデアを育て、地域の皆さんの元気とやる気をもりたて、
各自が納得しながら進めていく必要があります。
時間はかかりますが、これからもじっくりと筏の皆さんとお付き合いを続けていきたいと考えています。

わが社では、中山間の小規模な集落、地域の話合い・合意形成のお手伝い、
地域再生のためのアイデア、商品開発と販売ルート開拓のお手伝い、
地域の皆さんの元気とやる気を育てるワークショップの開催支援などを
させていただいています。
どんなことでもお気軽にお問い合わせ下さい。