年末のご挨拶(2018)

今年を10個の話題で振り返るつもりが12になってしまったという物語
【超絶長いので注意(笑)】

皆さん、本年も大変お世話になりました。
ときどきサボっていますが、恒例のご挨拶をお送りします。

なんかいつも言ってるけど、いつだって今日と明日はつながっていて、そこに人間が勝手に1年の区切りを与えてるだけ。だから、宇宙規模の大きな目で見れば、今日と明日の特別さなんてのは、例えば6月3日と4日のそれとほとんど違わないのに、なぜか12月31日だけはみんなが一年を振り返るよねえ…(笑)。まあ、それを人類は文化と呼んだりするんだろうけど、実際のところ、人間はこれを区切らずにはいられない動物なんじゃないかと思っている。

2018年はとにかくドタバタと始まったのでした。前年にジーユー計画の後藤祐介さんが亡くなって、それだけでも大変だったのに、神戸まちづくり研究所理事長の野崎隆一さんの黄綬褒章の受章記念のパーティーの事務局を自ら引き受けちゃったので、とにかくドタバタでした。まあ、そんなワケで、本年一番のトピックは、後藤さんの荷物を徹底的に片付けたこと、神戸まちづくり研究所がわが社内に引っ越ししてきたことだったのかも知れません。

まあ、全部読む人はそんなに沢山いないと思うけど、人間は区切りたい動物らしいので、私も一人前に区切りを描いてみることにします。

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■1.神戸まちづくり研究所がわが社に
   浅見のまち研作業が増えました

今まで事務局長といいつつも、色々と理事長と事務局にお任せしきっていたものが、事務局長常駐という形になったことで、いろいろとこちらに飛んでくることになり、わが社の事業ではないところで動くことが格段に増えました。そういう意味ではわが社のスタッフの皆さんには、ご苦労をかけたと思っています。みんなどうもすみませんでした。そしてありがとうございました。

とまあ、そんな訳でまち研で引き受けた宮城県山元町の復興ステーションの運営事業や、神戸市の事業・南阿蘇村の事業などにわりときちんと関わることになって、何かと気ぜわしい1年を過ごしました。

■2.ゲストハウス城崎若代さんがオープン
   繁盛しているらしくてうれしいです

わが社の業務としては、設計部門では、春先に城崎で設計・監理をしていた女性専用の「ゲストハウス城崎若代」が竣工したことがメインのトピックですね。

設計の業務って地味な作業が延々と続くことが多く、途中経過をなかなか公表できるものも少なく、竣工した時に大々的に宣伝するくらいしか、ご紹介することができませんが、なにかと日々の雑事に忙しく、皆さんにお知らせする機会を逃していました…。

まあ、それでも若代さんは、運営している姉妹の魅力によるものでしょう。なかなか順調に業績を伸ばしているようで、設計者としてもうれしい限りです。女性専用ですが、ものすごく居心地のよいお宿ですので、ぜひ皆さんご利用くださいますよう。

■3.溝呂木さん本格参入により受注増が可能に
   設計業務を迷いなく引き受けられます

数年前から、業務を手伝ってもらっていた溝呂木さんをほぼ常勤の正社員としてお迎えし、設計業務を中心に地域づくり関連のお仕事など、会社内外の様々な業務に参画してもらっています。

上記「ゲストハウス城崎若代」さんも溝呂木さんの担当でして、もう既にわが社の屋台骨を支える存在となっています。地域づくりの仕事や復興支援にも意欲的に関わってくれているので、今後が楽しみです。

彼女の参画のおかげで、設計業務を積極的に引き受けることができるようになり、城崎の新築店舗・長田の住宅・京都の町家など(なかなか苦労も多いけど)やりがいのある事業が進行中です。

■4.市民ワークショップ運営の業務委託が多かった
   ワークショップのやり方を再考する機会に

地域づくり部門では、今年は「業務のうち市民ワークショップの部分をお願いしたい」という業務がたくさん舞い込みました。いずれも他社のお手伝いですが、養父市・大津市・芦屋市などでワークショップの進行役を担当させていただいています。

市民ワークショップを運営するということは、議論の方向性を議論するということでもあり、委託くださった会社のご好意もあって、業務にがっつり関わらせていただきました。

おかげさまで、あらためて「市民ワークショップ」とはどんなものか、そこでは何が大切なのかをゼロから学ぶ機会を得ることができました。(この話は、し始めると長くなるので、また別のところで)

■5.地域コミュニティのあり方について熟考中
   全国どこでも真剣に悩むべき課題ですよね…

また、神戸市北区のニュータウンのまちづくりなどに関わらせていただき、地域コミュニティはこれからどうなっていくのか、いかにあるべきかについて深く考える機会をいただきました。

人口減少社会にあって、地域が強か(シタタカ)でかつ健か(シタタカ)に生き延びるためにはどんな方法があり得るか。自立的(ジリツテキ)で自律的(ジリツテキ)な地域運営を手に入れるにはどうしたらいいか。いや、ちょっとまて、そもそも地域はシタタカであらねばならぬのか、ジリツテキに存続されねばならないのか…。

なんてことを深く深く考え続けなきゃいけないことになっています。実はこの話、全国どの地域でも問題になっている、あるいは問題になるはずのことなので、ここらでちゃんと考えたい。(この話も、し始めると長くなるので、また別のところで)

■6.山岸さんの努力により業務の幅が拡大
   地域まちづくりとか防災WSとかアンケートとか

地域まちづくりの会合・防災計画づくりのワークショップや、特に行政から委託されるアンケートの作成・回収・集計等の業務では、わが社の山岸さんが中心になって業務を回してくれています。あと、ワークショップデザインもがっつり担当してくれてます。

もちろん、5年前の入社時から有能なスタッフでしたので、成長したというのも失礼ですが、最近、浅見が忙しいこともあって仕事を振りまくっており、業務をお任せすることが格段に増えました。そんなこんなですっかりわが社の中心メンバーとして屋台骨を支えてくれる存在となっています。

ウェブアンケートの業務なんて、わが社で引き受けることになるとは思わなかったけど、やってみたらなんとかなるもので…。今や得意分野といっても過言ではありません。各所からのご発注をお待ちしております。

■7.講演・講義の業務は浅見ががんばり中
   浅見の代わりに講演に行ける人がほしいです(笑

講義・講演の機会もたくさんいただきました。合意形成論や、ファシリテーション講座、地域の担い手の育て方講座、まちづくり講座など、最近は大きなホールでたくさんの人を相手にすることも増えてきましたが、私の本領は「考えてみる・やってみる型」の授業にあると思っています。そのことを忘れずに、できたら参加型の講座を続けていけたらいいなあと思っています。

参加型の講座・セミナーは、企画の段階からお手伝いできますのでご相談ください。

あ、あと、今年は摂南大で倫理の授業の他に、設計演習をやらせてもらって楽しかったです。暮には横浜市大でも講義をさせていただきました。マジメな学生さんが多くこれもとても楽しかったなあ。学校での授業のお仕事は楽しいので、無理のない範囲でお引き受けしたいと思っています。

■8.岡山に被災地支援に行き始めました
   熊本・宮城への支援活動も継続中

被災地支援の活動として、南阿蘇村にときどき通いつつ(なんと今年も南阿蘇村長野の神楽を見に行くことができました。毎年見たくなる人の気持ちはすごくよく分かります)宮城県にもぽつぽつと通っています。

それに加え、横浜市立大学の石川先生のご紹介により、岡山県倉敷・総社の皆さんにつながり、住宅の改修相談に乗るという活動をしています。これまでの被災地でのまちづくり支援活動では、直接建築設計の職能を役立てる場面はあまりなかったのですが、水害に遭った建物をどのように復旧したらよいかという相談を受けてみて、この職能が被災地にはとても求められることを実感したところです。溝呂木さんが積極的にこの件にかかわってくれています。

■9.地域の事業の支援を始めました
   新温泉町春来とたつの市で展開中

兵庫県の地域再生大作戦には、もう10年以上関わらせていただいていますが、新温泉町春来のお蕎麦屋さん「てっぺん」の支援を始めました。このお蕎麦屋さんは、20年前に、地域の維持を目指して、地域の皆が出資して始めた蕎麦屋さんで、以来赤字を出さず、近年では最低賃金をきちんと払い続けているという、地域づくり界隈では超優良な事例。それでも将来的にお店を維持できるか心配で、組織の法人化を検討中。まずはわが社で勉強会をプロデュース中です。

たつの市では、撤退したスーパーの跡施設でコミュニティカフェを始めようという皆さんのお手伝い。最終的には地域が運営するスーパーができないかと奮闘中。地域の皆さんにやる気が溢れているので、なんとかうまく事業化できないかと思っています。

■10.玉城町で楽しいプロジェクトに参加
   模型つくったりアプリ作ったり楽しかった

地域をいかに維持していくかという視点については、池山先生のお誘いで三重県玉城町に通い始めたことは視野を広げてくれました。皇學館大学の池山先生と学生さん、鳥羽商船高専の中井先生とそこの学生さんたち、聖隷クリストファー大学の伊藤先生(みんな学校名が強そうです(笑))に出会えたのは本当にありがたい経験でした。

地域の模型をつくり、模型へのプロジェクションマッピングの可能性を開拓し、地域の皆さんとまちあるきをし、地域を知るためのアプリをつくって地域の人たちとプレイする。聞いただけで楽しそうでしょ(笑)あ、この話は2月に池山先生に話をしてもらうので、あさみスタジモを忘れないように(笑

■11.健康・保健とまちづくりという視点を得た
   これは近年にない大発見だったかも

で、しかも収穫はこれだけじゃなくて、伊藤先生と池山先生との対話の中で、いかに保健師さんがまちづくりに近いところにいるかといことを知り「健康・保健とまちづくり」は近接している。というか、まったくもって被っていることを発見したのです。

私のような建築・都市系のまちづくり専門家は特にそうですが、役所のコミュニティ支援課とかまちづくり課の職員も同様に、健康・保健・福祉分野が地域とどう関わっているか、あるいは関わろうとしているかについては知らないことが多すぎるようです。

20年モノ・30年モノの保健師さんが地域のコミュニティをガッツリ把握していたりするように、健康・保健・福祉の分野では、「まちづくり」なんていい出す前から、地域やコミュニティを先行して研究し続けています。「まちづくり」がこれらの知見と交わらないで良いはずがないと遅まきながら確信を得ました。(そういえば、最近山崎亮さんもそんな話をしてくださったことを思い出し、山崎さんてすげーな。と改めて思ったことはとりあえずヒミツにしときます)

■番外.やっぱり健康の話

個人的な事情ですが、友人が白血病にかかって入院し闘病生活をすることになりました。8月に見舞いに行った病室で「病気快癒のための願掛けに」と勢いで禁煙を決めたらば、これまでなかなか続かなかったのに、なぜか何となく続いています。(友人は快癒し、この暮に退院して、現在は静養中ですが、毎日すごくよくなっているみたいです)

それから、実は9月にあった埼玉での中学校の時の同窓会で、これも勢いで6月に長野県で行われるハーフマラソンに出場することを決めてしまったので、ちょっとこの身体をなんとかしないといけません。今さら健康ガーとか言い出すのもナンですが、もう少し長く社会の課題と向き合っていたいので、ちょっと本気で自分の健康について配慮します。

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やっぱりすごく長くなったよ。

今年は息をつく暇もないくらい本当に忙しく動きました。

一昨年、もう動けないと思うぐらい働いて、これ以上は無理と思って、去年は少しペースを落としたのですが、今年は一昨年以上でした。ということで、きっとまだまだいけるんじゃないですかね(笑)
いや、既に述べたように、無理をする気はないので大丈夫。とはいってもお仕事がないと生きていけないので、皆さん、お仕事のご相談はご遠慮なくお願いしますね。

皆さんお世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。

人・まち・住まい研究所
代表社員 浅見雅之

100以上のまちづくりに関わった専門家が 日本全国、どこにでも
お伺いします。

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