上立杭「陶の郷」バス停前ポケットパーク

所在地 :篠山市今田町上立杭
規 模 :約20m2
竣 工 :平成23年6月
上立杭「陶の郷」のバス停前のポケットパーク

■設計をうけるに至った経緯
平成22年度、私たちは、上立杭景観形成推進委員会の「まちづくり計画」策定の為のお手伝いをさせていただきました。
その経緯において、上立杭景観形成推進委員会の方から、「陶の郷のバス停にはベンチもない。バスを待つ人のためのポケットパークを自分たちで作りたい」というお話が浮かび上がってきました。
ポケットパークの敷地は、バス停の道路を挟んだ篠山市さん所有の土地で、7m×3mの小さなスペースです。
このスペースに、バスを待つ人の為のベンチと、日差しをよけることのできる木を植えたいというのが、みなさんの一番のご希望でした。
そのご希望を反映しつつ、私たちがポケットパークのスケッチをいくつか書かせていただきました。
みなさんがポケットパークを自力施工されるということで、私たちは、まず、ホームセンターで手に入りそうな物をピックアップし、それを提案に盛り込みました。
上立杭景観形成推進委員会のみなさんのなかには、陶芸家の方がたくさんいらっしゃって、ポケットパークに焼き物の郷らしさを出したいということで、ホームセンターで手に入るようなものではなく、ポケットパークに使うピンコロ石や、平板、燈籠などを是非、焼き物で製作してはどうか?という素晴らしい提案をいただき、みなさんボランティアで焼き物を焼いていただくこととなりました。
そこで、丹波焼を利用した、立杭らしいポケットパークを目指して設計をさせていただきました。

■設計の概要
もともとの敷地には、つつじが植えられており、敷地と道路の間に縁石もありました。しかしながら、上立杭景観形成推進委員会のご要望を篠山市さんにだされ、篠山市さんが、ポケットパークの範囲のつつじを撤去し、敷地と道路の間の縁石も平なものに変えていただきました。
敷地は、川の脇にあり、立杭のまちなみが一望できるよいロケーションにあります。
まず、敷地の周囲には、丹波焼の高さの違うピンコロ石を焼いていただき、高さを変化をつけて敷き詰めました。
ご要望のベンチは、日陰をつくってくれることを期待したもみじのまわりに、ぐるりと丸太を並べたベンチをつくりました。立杭のまちなみがどこに座っても楽しめます。また、ベンチと燈籠を兼ねた燈籠ベンチを丹波焼でつくっていただきました。この灯篭は4つならべ、点字で「た・ち・く・い」の文字を描きました。燈籠は暗くなるとLEDの電球がひかります。
ポケットパークの敷地の半分くらいのスペースには、丹波焼の平板を市松にならべました。平板の間には芝生を敷き詰め、丹波焼のオレンジ、茶色がかった色と、芝生のグリーンのコントラストが生まれるように計画しました。
敷地は川の横にあることから、委員さんのご提案で、鉄のポールを建てました。しかしながら、そのままでは終わらないのが委員さんのすごいところです。このポールに、様々な色や大きさのリング状になった焼き物を重ね、美しい焼き物のポールが出来上がりました。
上立杭景観形成推進委員会のみなさんと、わたしたちで、1日から2日ほどかけて、すべて自力でポケットパークを施工することができました。焼き物の郷、立杭ならではのポケットパークの完成です。

ポケットパークの全景
様々な色と高さの丹波焼のピンコロ石
丹波焼の平板と芝生のコントラスト
丹波焼の燈籠ベンチ
燈籠ベンチ丹波焼の素材感
夜の燈籠。奥から「た・ち・く・い」
川とのさかいに立てられた焼き物リングのポール

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