今回の建物の屋根仕上げは、瓦葺です。
瓦といっても、様々な種類がありますが、今回は寒冷地なので、凍害に強い石州瓦を使うことにしています。
色は、既存の建物および、周囲の建物にも多く見られる「銀黒」です。
葺き方は一文字葺きです。
お恥ずかしいことながら、一文字葺きの施工の大変さを今回、瓦の加工場を見学させていただくことで、初めて知りました。
工場から運ばれてきたものをそのまま施工するのだと思っていたのですが、実は瓦を一枚ずつ職人さんが加工すると聞きました。
これは、是非、加工場を拝見しなくてはならないと思い、加工場におじゃましてきました。
加工場では暑い中、二人の職人さんが、瓦の粉にまみれながら作業されていました。
見学させていただいて、なかなか根気のいる、難しい作業だということがよくわかりました。
一文字葺きの軒先は、工場から運ばれてきたままの状態では、狂いが多く、ぴったりと合いません。
この瓦を一枚一枚、直角をだし、サンダーをかけ、それを更に砥石で研いて、きれいな一文字葺きの軒先が完成します。
これで、ピタリと合った軒先の一文字葺きが出来上がっていきます。
瓦職人さんがおっしゃるには、石州瓦は硬いため、削るのが相当大変だそうです。
淡路の瓦など含水率の多い柔らかいものであれば、もう少し簡単に削れるそうです。
石州瓦で一文字葺きをするのは、4,5年ぶりだそうで、「まんじゅうにしてくれたら楽なんやけどなあ」とおっしゃっていましたが、私たちにはしんどい仕事ながらも誇りをもってやっておられる姿がとても頼もしく、かっこ良く見えました。
今度は、屋根の瓦を実際葺くところを是非みたいと思っています。
こば
2010.07.04